令和3年度英語事変・・・中学英語に激変あり!

こんにちは!

突然ですが、この4月から中学校の学習指導要領が変更になることをご存知でしょうか?

学校で教えている内容は学習指導要領に沿って授業がされているのですが、この学習指導要領は4年ごとに改訂されています。

そして来年度がこの4年目の周期にあたります。

というわけでこの4月から教える内容が変更になるのですが・・・今年は大変なのです。

英語について大幅な変更が加わりました・・・!

その量・・・なんと3割増しッ!!!

高校の内容にまで踏み込みます。

いやだなぁ・・・いやだなぁ・・・

私の心の中で、稲川淳二が震えております・・・。

ではどういう点が変更になるのか、どういう対策をしていったらいいのか、これから見ていきましょう!

令和3年度からの中学英語、ここが変わる!

3割増とのことですが、実際はどのように変わるのでしょうか?

各学年について、追加となる分野について以下の表にまとめてみました。

学年追加単元令和二年度までの指導学年
中学一年there is中学二年
中学一年過去進行形中学二年
中学二年受動態中学三年
中学二年現在完了中学三年
中学二年現在完了進行形高校一年
中学三年仮定法過去高校一年
感嘆文高校一年

(※の感嘆文は、新教科書でどの学年で扱うのか不明になっています。おそらく新学年への移行教材で教えることになるかと思うのですが、詳細が決まり次第追記します!)

上の学年からスライドしてきたものがけっこうありますよね・・・。

中には高校生でやる範囲なのに、中学に降りてきたものもあります。

中学の英語を勉強してきた方の中には、「現在完了進行形?仮定法?それなに?」となると思います。

現在完了進行形は、「過去に起こったことが、いま話している現時点まで続いている状況」の時に使います。

たとえば

現在完了進行形の例文

It has been raining for a week.(1週間ずっと雨が降っている)

これって「1週間前から降り始めた雨が、今話しているこの時もずっと降っているよー」という意味が込められているんですね。

現在完了の「継続(〜の間・・・している)」と、現在進行形の「今〜している」が合わさっている感じです。

一方で仮定法はと言いますと、「現実にはありえないことなんだけど、もしあるとしたらこうだよなぁ」という文法です。

たとえば

仮定法の例文

I wish I were a doctor and could help many people.(お医者さんになって多くの人を助けられたらいいのになぁ)

これって実際には話している人は医者ではないんですけど、「医者だったとしたらこうする」みたいな仮定の話をしているんですね。

注目すべきはI の次の単語。wereになっていますね。

Iに続くbe動詞はamと習います。しかしその法則に反して、複数形の、しかも過去形のwereとなる。

これが仮定法の特徴です。

「これはあくまでも仮定の話ですよー」ということを強調するために、わざと普通の形を変えているんですね。

でもこれ・・・be動詞とか過去形とかきちんとわかってないと、そのうえにある仮定法を理解することはできないのですよね・・・。

単語も増えます!

増えるのは文法事項だけではありません。

英単語も増えます。

現在中学卒業までに習う英単語は、1200語ほど言われています。

しかし、文部科学省の発表している新学習指導要領には、こんな恐ろしい記述が・・・

小学校で 学習した語に 1600 ~ 1800 語程度の新語を加えた

・・・えー!!

めっちゃ増えてるやん!

しかもここで注意すべきは「小学校で学習した語に・・・」というくだり。

小学校では今年度から新しい学習指導要領に入っているのですが、英語も強化されております。

小学校で覚える英単語は、600〜700ほどとのこと。

ということは、多めに見積もると小学校700+中学校1800=2500・・・

覚える単語は2倍以上にッ!!!

今ですら全然覚えられていない生徒が多いのに、これから2倍になるんですねー(遠い目)

単語って、ある意味文法より大事なんですよね。

文法わかっても単語分からなければ英語は読めないのですから。

たとえばこういうやりとりは私の塾では日常茶飯事です。

「三人称単数は動詞にsをつけるんだよー。それじゃこの問題、動詞を変化させて日本語にしてみて!」

「先生・・・クノウってなんですか?」

「クノウ?なにそれ?」

「これです・・・」

生徒の指す指先には、knowの文字。

「これはノウっていう発音で、知るっていう意味だよー。覚えてねー」

とにこやかに言いますが、

(なんだよクノウって!そんな君に苦悩するよ私は!)

と心の中でノリツッコミしています。(ちなみに2週間後には高校受験・・・!)

そんなわけで、単語を知らないというのは英語において致命傷になるわけです。

いくら「これからの時代は情報社会や国際社会に対応できる柔軟な思考力をもった人材を育成する教育を〜」なんてかっこいいこと言ったって、言葉わからない人に思考もなにもないですからねー。

激増する中学英語・・・どう対応したらいい?

というわけで大激変を遂げる予定の中学英語なのですが、どう対応したらいいのでしょうか?

気をつけるべきはいまの中学二年生。

新学習指導要領では受動態と現在完了形は二年生で習うことになります。

するといまの二年生はこれから進級して三年生になってもそれらを教科書で習うことができません。

なので移行措置としてそれらは二年生のうちに追加で習うようになるのですが・・・いかんせん現在の計画にあとから追加されたものなのでどれくらいきちんと授業がされるか未知数なのです。

ただでさえ現場の先生は今の内容を教えるので手一杯ですからね・・・。

とはいえ受動態と現在完了形は非常に重要な分野。はじめて過去分詞というものが出てくる箇所でもあります。

習うとすればおそらく来月の3月になると思うのですが、ここは学年末テストが終わったからと言って気を抜かずにしっかり授業を聞きましょう!

一年で追加となるthere isや過去進行形も同様に移行措置での学習となると考えられます。

こちらもやはり学年末テスト後もしっかり授業を聞きましょう。

これらの分野は、新学年の一学期のテストで出題範囲にされる可能性が大です。

普段勉強している範囲に、あらたに重要分野が追加される・・・直前になって大慌てするようではだめです。いまのうちからしっかり覚えましょう!

単語についても、これまで以上に前向きに対応しなくてはいけません。

単語は文法と違って「すぐ理解できた!」なんていうことはありません。一つ一つ覚えていく地道な作業です。

すぐには結果は出ませんが、がんばったぶんだけ力はつきます。あきらめずがんばりましょう。

まとめ〜がんばること自体は変わらない〜

ここまで「英語が増えて大変だ!」という話をしてきました・・・が。

実は「がんばること」という点ではなにも変わらないんですよね。

成績というのは周りとの差によって決まります。

点数が50点でも、平均点が30点だったらいい点数になりますし。

だから「覚える量が3割増しだから努力も3割増だ!」とはなりません。

難しくなるのはみんな平等ですからね。

ただ・・・これまで以上に上下の差は開くものと考えられます。

普段からがんばる姿勢ができている子は、これまでのがんばりを継続すれば新しい英語にもついていけることでしょう。

でもそういう姿勢ができていない子は、さらに置いていかれることになります。

英語は積み重ねの教科。つまづいたままにしておくと後から挽回するのは時間が経つほど難しくなります。

だから、普段から頑張る姿勢がない子は、これからさらに要注意です。

この英語の新学習指導要領がはじまる機会に、心を入れ替えてしっかりがんばろう!と思える子が増えてくれるといいなぁと思っています。