こんにちは!
今日から私の塾も再開しました。
職場には休塾中も事務作業でちょくちょく来ていたのですが、やはり生徒が来ると活気がありますね。
休みの間はみんな過ごし方に苦労したみたいです。
しかし、その過ごし方にこそ、その後の成績アップにつながる鍵があるのではないか?
そう思う出来事があった1日でした。
今日はそんなお話をお届けします。
(2021年5月13日追記:これは藤原学習塾を作る前に勤めていた塾のお話です。藤原学習塾の話ではないのでご注意ください!)
休校中も一生懸命がんばってたAさんの話
いままでのAさん
私が持っている生徒の一人、小学生のAさん。
塾で勉強しているのですが、どうも成績はイマイチ・・・どころかイマサンくらい。
保護者の方はかなり期待をかけている様子なのですが、その熱意が成績に響く様子はありません。
授業も熱心には受けていますが、集中しきれずには一人の世界に入ってしまうことも。
特に算数については、新しい概念が入ってくるとお手上げ状態。
問題演習に入る以前に、その説明に時間を大きく取られてしまいなかなか理解の定着に結びつかない状態でした。
不真面目というほどではないにせよ、どうも集中しきれていない感じ・・・それがAさんの状態でした。
休み明けのAさん
今日はそんなAさんの算数の授業。
以前も塾でやった単元を復習する授業だったのですが、そのときは理解に苦戦していた単元でした。
これは周到な準備をして臨まねば・・・そう覚悟(?)していた授業でした。
が、しかし。
「あ、この単元はねー、少しわかるようになったよ!」
そう言ったAさんは、その単元の基礎問題をするする解いていってしまいます。
横で目を丸くするする私。
できるようになった理由を聞いてみると、
「学校と塾が休みの間もね、算数とか勉強してた。ママがやれって言ってて」
Aさんは休みの間も、苦手な単元を勉強し続けていたのでした。
とはいえ、いきなり得意になるということはありません。
基礎問題でも理解が足りていないところはありましたし、まだまだ補強は必要です。
とはいえ概念を理解して問題に取り組めるようになったのですから、とても大きな進歩です。
これからのAさんの姿勢に少し光が見えたような気がしました。
休校中も相変わらずのBさんの話
いままでのBさん
一方のBさん。
Bさんは中学生。来月から3年生で受験生になります。
Bさんは授業態度は問題ないものの、成績がどん底。
というのも、全く家庭学習をしないのです。
宿題は絶対しませんし、小テストに向けた準備も皆無。
学力は中一レベルも怪しいというところ。
行ける高校は底辺校しかないというところですが、本人はそういうところは嫌だとのこと。
プライドだけはあるみたいなのです。
さて、2週間の休校を経て、Bさんに変化はあったのでしょうか?
休み明けのBさん
まったく変わりはありませんでした。
相変わらず宿題はゼロ達成。
「学校の課題で忙しくて・・・」などと言ってますが、その課題すらやっていないだろうことは明白です。
もしそうした課題をちゃんとやっているのでしたら、今この成績のはずはありませんから。
今日は簡単な四則計算をやってもらいましたが、めちゃくちゃな順序の計算で中学生とは思えない結果に。
うーん・・・うちの塾で預かるより、戸塚ヨットスクールに預けて根性を鍛え直してもらった方がいいんじゃないか??と真剣に思いました。
休校中で周りが休んでいる間にどう過ごすのか?
休校中に頑張らないのは普通。だけど・・・
とても対照的な二人ですよね。
一方は課題を克服しつつあり、一方は変わらないまま。
たった2週間のことかもしれませんが、この期間が二人の明暗を分けるような気がしています。
とはいえBさんのような生徒は珍しくありません。休校中何もしなかったという点で言えば、むしろ普通です。
いつもの長期休みと違って、自宅待機が原則。
どこにも遊びに行けませんし、中学生の部活動もありません。
そんな鬱々とした状況の中、勉学に精を出そうという生徒は稀というもの。
そもそもそれくらいやる気のある生徒なら塾に通っていません。
さきほどのAさんも、自発的にではなく保護者の方に言われたから勉強したと言っていました。
しかし、強制力があったとは言え、ここで勉強に向かい合えたことはAさんにとって大きなアドバンテージになります。
みんなが頑張る時に頑張るのは普通。
ちなみに先ほどのBさんは部活動に熱心です。
もしかしたらこんなふうに考えているのかもしれません。
「勉強は部活を引退してから頑張るの。だから勉強は今頑張らなくていいの」
Bさんのみならず、そう考える受験生は多いかもしれませんね。
部活を引退して、夏から勉強を頑張る。
夏は受験の天王山。
ここから一気に頑張れば問題ないでしょ。
そんな感じに捉えている人が普通なのでしょうか?
しかし、その考え方は甘い。
マックスコーヒーに蜂蜜を入れるよりも、さらに甘い!
夏に頑張るのは、自分だけではありません。
周りだって必死に頑張ります。
自分の学力が上がっても、周りの学力も上がるので偏差値は上がりづらいのです。
ましてや現時点で周りと大きな差がついてるBさん。
夏に頑張ったとしても、どんなに勉強しても周りもすごいスピードで走っていくので差は縮まりません。
むしろ日頃の学習体力の差もあるので、差は広がるばかり。
そのうちやる気がなくなって、2学期になる頃にはドロップアウトして底辺校に流れるのは目に見えています。
みんなが頑張る頃になって頑張ってったて、もう遅いのです。11月に「冷やし中華はじめました」というくらい遅い。
冬もそうですね。
受験直前期になって頑張ったって、焼け石に水というもの。
冬になってからようやく頑張り出す生徒さんもよく見ますが、この時期には過去問などの応用問題に取り組む時期。
しかし応用を特には、基礎力が必要というもの。
そしてこの基礎力がついていない生徒さんの、実に多いこと。
もっと早くに基礎を大事にする勉強をしていれば・・・と、教える方は残念に思うことが多いです。
(教わる方はどう思っているかわかりませんが)
休校中、みんなが頑張らない時に頑張ることにこそ意味がある
一方、休校期間中はまだ受験期から遠い春先のこと。
ここで頑張ることができれば、一気に周りとの差をつけることができます。
それだけではありません。
ここで基礎を固めておけば、4月以降の勉強がすごく楽になるのです。
受験勉強には年間のサイクルがあります。
夏までは基礎を固め、秋には演習問題に手をつけ、冬には過去問などで本番に備える。
もしここで春から基礎を固められれば、夏休みの時間をまるまる演習に使うこともできます。
周りよりもサイクルを前倒しすることができるのです。
この春の前倒し効果はとても威力が絶大です。
私の地元の県下ナンバーワン進学校は、入学前の春休みの時点で、他の学校が1学期にやる数学Aの「数と式」を宿題として出していました。
「この単元は春休み中に終わらせるように」というメッセージなのでしょう。
そうした姿勢が、ナンバーワン進学校としての地位を築いているのだと思います。
これを読んでいる小中学生や高校生の方は、ぜひ春のうちから勉強することを勉強することを強くお勧めします。
そう、この画面を閉じたその瞬間から勉強するのです。
まとめ
いかがだったのでしょうか?
AさんとBさんの様子を見て、やはり教育の現場はいろいろな学びがあるなぁと思いました。
この「みんなが頑張る前に頑張る」というのは、勉強のみならず仕事にも言えることだと思います。
私も仕事で「ここが勝負どころだ」と思った時はいつもより1時間くらい早く出勤しています。
仕事が終わらないから・・・ではなく、誰もいない職場で邪魔されることなく仕事を進めることで、仕事量を稼ぎ差をつけることができるからです。
もちろん朝早く行ったからと言って、その分手当がつくことはありません。
しかしその差こそが、のちのパフォーマンスに大きく影響し、自分の成長を促してくれるのです。
ぜひみなさんにも、人が頑張っていないときに、人より早く努力する習慣をつけていただければと思います。
(でもいつもこれをやるのはなかなか難しいんですよね・・・。私もこのブログをいつも日中に書こうと思ってもつい夜遅くにまで引き伸ばしちゃいますし・・・。がんばりどころを見極めるのが、疲れないコツですかね)