「五月晴れ」と言葉の多様性

こんにちは!

今日はとってもお天気。季節の巡りを実感できるお天気でした。

「いい天気だなぁ・・・五月晴れだ」

と思ったのですが、ふと疑問が。

 

五月晴れは、本当に5月の晴れのことなのだろうか?

と言いますのも、五月雨という言葉があります。

字面では5月の雨ですが、実際は違います。

五月雨とは、梅雨の時期にしとしとと降り続く雨のこと。

 

旧暦の5月は梅雨の時期だったことからこの表現が生まれました。

 

ということは、五月晴れも梅雨の時期の晴れ間のことを言うのではないか・・・?

 

塾の前で気持ちよく伸びをしていたのも束の間、中に入って早速調べてみることにしました。

 

すると面白いことが判明。

 

確かに五月晴れには、元々「梅雨の間の晴れ間」と言う意味がありました。

 

やはり梅雨の時期に関係した言葉だったようです。

 

しかし現在の5月の晴れ間のことも指すとのこと。

 

本来の意味とは違う意味で誤って使われるうちに、それが定着して「5月の間のよく晴れた天気」のことも意味するようになりました。

 

言葉には本来の意味から間違われて使われるうちに、いつの間にか正式な意味になったものがいくつかあります。

 

これは意味ではなく読みの方ですが、例えば「消耗」と言う漢字。

 

これは元々は「しょうこう」と読みました。

 

しかし「しょうもう」と言う読み方の方が読みやすいと言うことで、いつしか「しょうもう」の読み方の方が正式なものになりました。

 

また「ゴキブリ」もそうです。(今の時期は嫌な存在ですね・・・)

 

ゴキブリは元々「ゴキカブリ」と言う名前でした。

これがいつしか短く読まれるようになり、こちらも「ゴキブリ」が正式名称に。

(一説によれば図鑑で間違って名前が記載されたことも原因らしいです)

 

このように言葉というのは元々の形や意味を離れて、新しいものに変わることがあります。

その時は「それは間違いだ!」と責められていたかもしれませんが、定着していくうちにこちらが本流の座を得ることも。

こうしたことはまさに言葉の多様性だと思うのです。

 

杓子定規な「正しさ」に縛られない、多様な言葉のあり方というのはとても面白く感じます。

現在私たちが使っている言葉も、多様性を得る中で変化していくのでしょう。

 

5月の青空を見渡してながら、言葉の面白さを感じていたのでした。