蟹工船

こんにちは!

受験まで半月を残すところとなり、受験生の本気度も右肩上がりにあがっていること。

当塾の三年生たちも一生懸命勉強しています。

 

さて、今日の三年生の自習にて。

社会の勉強をしている生徒から「先生。蟹工船ってどんな話なんですか?」

という質問が出ました。

 

蟹工船は昭和初期に小林多喜二によって書かれた小説。

当時のプロレタリア文学の代表作です。

 

プロレタリア文学とは労働者階級について表現した文学ですね。

蟹工船は、北の海へ蟹の漁へ向かう船のこと。

 

蟹を効率よく多く取ることだけを目的としており、そこでの労働は大変過酷でした。

労働者たちは人間扱いされず、極寒の海での労働に耐えられずに倒れていく人が続出。

そんな劣悪な環境に対して、ストライキという手段で雇い主に対抗する物語が蟹工船です。

 

生徒たちにそうした説明をしたのですが、説明をしながらも「こういうことは今でも多くあることだな・・・」と思いました。

 

数年前から取り沙汰されているブラック企業などはそのいい例で、長時間労働などで働く人を使い捨てにする点では蟹工船と変わらないな・・・と。

 

説明の最後に、「蟹工船のようなところに行かないように、しっかり勉強しないとね!」と笑いで締めましたが、劣悪な環境を避けることも教養の大事な役割の一つ。

 

「働く人の権利は守られるべき」ということをみんなが知っていれば、蟹工船のような企業は人が集まらずに淘汰されていくでしょう。

 

今は受験勉強に夢中な時期ですが、勉強を通じてそうした社会で生きる力を身につけていってほしい・・・。

そんなことを思った受験前の授業でした。