こんにちは!
年度切り替えの時期ですが、慌ただしい気分の方も多いのではないでしょうか?
私もちょうどこの頃は仕事がものすごく立て込んでいて、自分の時間もなかなか取れないです・・・
最近なかなかブログも書けなくて、反省の日々💦
いまは高校入試も終わって、受験生の皆さんは受験勉強から解放されてほっと一息の日々でしょうか。
とはいえ合格発表までは気を揉むことと思います・・・なにか気が紛れるようなことができるといいですね。
さてさて、今日は前回少しお話しした茨城県立高校入試の解説をしようと思います。
これから来年再来年の受験に向けてがんばろうという方々に、少しでも有益な情報となるようにがんばってお伝えしますね!
令和3年度茨城県立高校入試・全体の感想
今年の高校入試全体の感想を一言で言うと・・・
「書かせる問題が増えたなー」
これに尽きますね・・・
一昨年までは記号や語句を答えさせる問題が多かったのですが、去年から内容を説明させるような問題が増えてきて、今年はさらに拍車がかかったなぁという感じです。
一番衝撃だったのは社会でしたね・・・。
記述問題のオンパレードでした。
一昨年から去年にかけて大きく記述問題を増やしたのですが、今年またあんなに増やすとは。
理科でも記述問題や図で答えさせる問題が増えました。
数学や英語では昨年に記述問題を増やしましたが、今年もそれを継続した形。
国語では「話の出だしをわかりやすく書き換える」という変わった問題が出題されました。
国語は出題形式も変わったことも注目されています。
それでは科目を一つずつ見ていきましょう。
社会
記述問題大幅増!!時間切れ続出か!?
今年の県立入試最大の目玉は、まさかの社会でした。
あの記述問題の嵐は、多くの受験生を圧倒したことでしょう。
今年出題された記述問題の数は、21問。
問題数の合計が38問なので、実に半分以上が記述問題という・・・。
しかも最後の大問4にいたっては全9問のうち6問が記述問題。
最後の問題3つが連続で記述問題だったので、ここで時間切れで終わりのチャイムを聞いた生徒も多かったのでは。
記述問題は一昨年は7問で、去年が14問でした。
去年の時点で2倍に増加していたので、今年はもう増やしてこないだろうと思っていたのですが・・・まさかさらに1.5倍に増やしてくるとは。
「過去問では時間内に解けていたのに、時間切れだった・・・」そうショックを受けている生徒さんもいると思います。
でも大丈夫。きっとみんな解けていないと思います。
ちなみにお隣栃木県の高校入試が昨日行われたのですが、こちらの社会の記述問題はわずか6問・・・。
個人的には「ちょっと茨城県はやりすぎではないか??」と思っています・・・。
問題自体は基礎的なものが中心
記述問題は激増でしたが、中身の難易度を見ると基本的なものが目立ちました。
「民主主義で配慮すべきことについて、少数という言葉を使って述べなさい」
という問題がありましたが、「少数」という言葉を見れば「民主主義では少数派の意見は通らないのでそのぶん配慮が必要だよね」というのは割とすぐ思いつくかな?と思いました。
「ノーマイカーデーの環境への効果について述べなさい」
という趣旨の問題もありましたが、資料にノーマイカーデーの内容や車の出す二酸化炭素の量についてのことが書いてあったので、それを読めばすぐ解けたかと。
このように従来であれば言葉の意味を知らないと解けないような問題も、資料を見ればわかるような形に変わっていました。
記述問題と言っても難しい内容をじっくり考えて解くようなものではなく、基礎的な知識を持ち合わせた上で提示された資料をパッと見てパッと解けるような力が求められているのかなぁと感じました。
三年前の過去問から同じ問題が!?
「宮城県の県庁所在地を答えなさい」
という問題がありました。
実はこれ、三年前の2018年入試にも同じ問題が出ました。
そのときは日本地図で宮城県の位置を指して、その県庁所在地を答えさせるものだったのですが・・・。
数ある県庁所在地の中で、なんで宮城県から連続で出したのかは理解に苦しみますね。
過去問をやっていた子はラッキーだったかも?
令和4年度の社会対策 〜解答の瞬発力を育てよう!〜
社会については、昨年と比べると
【やや難化】
といったところでしょうか。
記述問題数激増の影響はあると思います。
ただ問題自体は基本的だったので、そこまで大きく平均点は下がらないかなーと。
これからの社会の勉強法のキーワードは、「瞬発力」ですね。
提示された問題と与えられた資料から、何を答案に書けば良いのか?
それが秒レベルでわかるくらいまで勉強する必要があると思います。
もう言葉を覚えればOKだった時代から、変わっていってるんだなーと感じさせられる試験でした。
国語
出題形式変更!まさかの4コマ漫画も?
国語も出題形式に変化がありました。
昨年までは「文学的文章(漢字)→説明的文章→韻文(俳句など)→古文→作文」の順番だったのが、
今年は「文学的文章→古文→説明的文章→作文→漢字」という構成に変わりました。
韻文はなくなって、他のところをボリュームアップした感じですね。
今年の国語の特徴は順番だけではなく、その出題形式にあります。
いままでは「本文→問題」という流れだったのが、今年からは「本文→討論・資料→問題」というように本文と問題の間にワンクッション入るようになりました。
古文ではこのワンクッションに、4コマ漫画が入りました。
古文の内容を4コマ漫画にまとめ、空欄になっている最後の4コマ目の内容を答えさせるものでしたが、これは他に例のない珍しい形式だったと思います。
文章を「使えるか」、文章に「飲み込まれるか」?
この討論や漫画といった資料は、本文を理解するのに便利な資料になると思います。
本文ではわからなかったことも、これらの資料を読めば理解の助けになりますからね。
日頃から文章を読むことに抵抗のない生徒さんにはいい傾向になったのではないかと思います。
逆にそうでない子には、これらの資料がハードルに感じられたことでしょう。
役に立とうが立つまいが、それらは解答に必要な問題文ですからね。
そういう生徒さんは、時間がうまく使えなかったかなと思います。
「読解」は昨年から続く茨城県の高校入試のキーワードです。
解答の助けとなる資料を、上手に使えるか?
それとも新たに増えた文章量に飲み込まれていくのか?
この辺が国語の成績の成否を分けてくると思います。
令和4年度の国語の対策 〜素早く解答をまとめる練習を!〜
今年の国語は、去年と比べると
【昨年並】
といったところと思います。
傾向の変化はあったのものの、問題数も難易度も変更はありませんでした。
とはいえそれは去年と得点の分布が同じということではありません。
おそらく点を取れている子と取れていない子の差はさらに広がっていることでしょう。
今までは本文をじっくり読んで腰を据えて解答を考える形でしたが、今年からは本文を速く読んで内容をさっとまとめ、資料と照らし合わせて解答を練るスピード感が必要になるでしょう。
本文と資料の二つがあるので、どちらかわからなくてもどちらかが分かれば正解に近づけます。
「本文が分からなくても資料がある!」
これくらいの気持ちでスピード感を持って問題にあたっていったほうがいいと感じました。
理科
こちらも記述問題増加!図を書く問題も多く出題
理科についても社会ほどではないですが記述問題が増えました。
去年は5問でしたが、今年は8問。
また図を書く問題が増えました。
去年はゼロ、一昨年は1問だったのですが、今年は3問。
重力の分力を書く問題があり、個人的には「やるなぁ」と思いました笑。
力を扱う問題ではけっこう頻出の問題で、定期テストでは必ずといっていいほど出てくる問題だったので、ついにきたかーと。
あとは電気回路の繋ぎ方や、葉っぱの気孔のところを塗りつぶす問題。
いずれも基本的な内容ですが、図の問題として出すことで受験生の知識を試しているところが良問だなぁと。
一番最後に出た炭酸水素ナトリウムの分解の化学式は、かなり難しいのではと思いました。
分解といえば酸化銀や塩化銅など覚えやすいものが一般的なのですが、炭酸水素ナトリウムはそれ自体が覚えにくい化学式なので、ここはできない生徒が多かったのではないかと思います。
令和4年度の理科の対策 〜一年生分野を怠るな!〜
今年の理科は、去年と比べて
【昨年並】
と感じました。
記述や図解は増えたものの、内容は基礎的です。
必須事項に絞って出題する堅実なスタイルだなーと思いました。願わくはこの傾向が続くことを・・・笑
ただし、今年は一年生分野からの出題が目立ちました。
大問4の生物分野では、一年生の蒸散に注目した分野が出ました。
続く大問5の地学分野では、一年生で習った火山から出題。
大問二つ続けての一年生分野からの出題になりました。
3年生分野は習ったばかりなので知識が残りやすいですが、一年生分野は忘れている人が多いです。
だからこそ入試はそこを狙ってきます。
一年生分野こそしっかり固めていきましょう。
英語
傾向は昨年通り。長文はやや易化か
私が個人的に意外だったのが、今年の英語。
今年の大学入試共通テスト導入を受けて、英語も同じ雰囲気でくるかなと思っていましたが、去年とそっくり同じ形で出してきました。
英語は一昨年から去年にかけて少し傾向を変えてきたので、しばらくこのままでいくと決めたのかもしれません。
リスニングで自分の考えを英語で書くところも、会話文で資料が英語で書かれているところも、長文の最後が英作文で締められているところも、全て昨年と同じです。
面白いのが、長文最後の英作文。
会話文の中にある「あなたはどのように英語を練習していますか」という問いに答える文なのですが、その会話文には「それはカズマ(長文の主人公)と違うやり方だね」という続きが書かれていました。
つまりただ英語の勉強法を書けばいいのではなく、カズマと違う方法を言わなくてはならないということです。
長文中のカズマの勉強法が「英語の本をじっくり読む」というものだったので、これにかぶってしまっては減点となります。
なにげに怖い条件だな・・・と思いました。
また長文については文章量が減りました。
去年はウォルトディズニーの生涯について時系列に書いたものですが、今年は普通の高校生の暮らしのような感じだったので読みやすかったのではないでしょうか。
令和4年度の英語の対策 〜これまでよりさらに単語を覚えよう!!〜
今年の英語は、去年と比べると
【やや易化(簡単になった)】
と思います。
長文も読みやすくなったので、最後まで解けた生徒も多くなったのではないでしょうか。
ただ来年の英語は難しくなると思います。
前にこのブログでもお話しした通り、教科書の改訂で覚える量が大幅アップするからです。
新中三に絞って言うと、高校分野の仮定法が新しく加わります。
また中三で習うはずだった受動態が中二に降りてきます。つまりいまのうちに知っておかないと言うこと。
さらに入試で必要となる単語が1・5倍くらいになります。
もうボヤボヤしている暇はありません。
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数学
大激変の昨年と傾向は変わらず。
数学は昨年に大激変して茨城の受験業界を大変賑わせましたが、今年はさすがにもう変えられないと思ったのか去年と同じ傾向になりました。
単純な計算問題はもうひとつも出なくなり、第一問から文章題。
作図問題は今年も出題されました。
一方で毎年出ていた連立方程式の問題がなくなり、かわりに二次方程式の問題が出されました。
平面図形、立体図形については会話文を埋めていくスタイル。
立体図形については立体そのものではなく展開図から考えていくのは、例年にない形でした。
また確率については今まで小問として聞かれていましたが、今年は大問に昇格。
問題ごとに異なる条件の分だけマスを進めるという、けっこうユニークな問題でした。
令和4年度の数学の対策 〜文章題を素早く把握しよう!〜
今年の数学は去年と比べると・・・
【昨年より易化(簡単になった)】
と思います。
特に後半の図形の問題は会話文から出題されており、ヒントもあったりして答えやすかったところもありました。
かつては難問とされていた問題にサポートが加わったので、クリアできた生徒も増えたかと。
とはいえもう数学に単純な計算問題が出ることはないと思うので、これからは文章題を素早く解く能力が求められてくると思います。
それは「文章題だけゴリゴリやる!」ということではなくて、「計算もできた上で文章題をゴリゴリやる!」と言うことです。
計算ができなくては文章題の計算ができませんからね。
着実な計算力と、迅速な問題把握力。
今後もこれらが求められることは変わらないので、しっかり勉強していきましょう!
まとめ
以上、令和3年度茨城県立高校入試の解説でした。
5教科全体で言えば、問題のレベルは昨年並か少し簡単になったかなーと思います。
しかしこのコロナ禍で生徒たちがどれくらいしっかり理解を深められてきているか・・・それが問われる内容とも言えます。
もし全体の点数が思うように伸びていなければ、それはコロナで中学生の学力が伸びていないと言うこと。
感染症対策下での教育のあり方が見直されることになるでしょうね・・・。
「どうしよう・・・自分全然できていない・・・」という受験生もいると思うのですが、そう言う問題や教科は自分と同じくらいのレベルの人達もできていないものです。
「自分もできてないけど、他の人もできてないよね♪」という気持ちでOKですよ!
でもそのぶん高校ではしっかり勉強しましょうね笑