茨城県立高校の倍率に見る、高校ごとの特色

先日高校入試が終わって、いよいよ来週の金曜日に合格発表があります。

今年はコロナウイルスの影響もあって、合格発表はインターネットのみの発表となるようです。

仕方がないとは言え、合格発表の掲示板の前で合格に歓喜する生徒の様子が見られないのはちょっと寂しいですね。

ところで入試に当たって生徒や保護者が気をもむことがいくつかあります。

その一つが倍率。

志願者数が定員より少ない、いわゆる定員割れのところは比較的入りやすいでしょう。

逆に倍率が1倍を超すようであれば、定員を超過した人数はふるいにかけられてしまいます。

例えば今年の古河一高商業科で言えば、200人の定員に対し219人が志願しました。

つまり219−200=19人が涙を飲む形になります。

自分の志望校の倍率が何倍なのか。

私の生徒も倍率発表の途中経過に一喜一憂している子がいました。

この倍率、高校ごとに見るといろいろ面白い傾向があります。

その特色をまとめ見てましたので、見てきましょう。

倍率に見る県立高校ごとの特色

倍率1倍越え!人気の下妻勢

古河市近隣の高校ごとの倍率で最大の倍率を叩き出したのが下妻二高。

倍率は1・16倍です。

同じ下妻にある下妻一高は1・10倍。これも高校別倍率で2番目に高い数字です。

私の塾からも何名か下妻二高を受ける生徒さんがいました。

なぜ下妻の高校は人気があるのでしょうか。

下妻二高については、偏差値的にも手頃な感じがあるからだと思います。

下妻二高の偏差値は、52。

中学生のボリュームゾーンとなる偏差値40台の子からすると、がんばれば手が届きそうな感じがありますよね。

下妻二高は卒業生の半数以上が大学に進学するので、進学の点でも魅力的です。

部活動も盛んです。野球部は公立校にも関わらず甲子園にいったことを覚えている方も多いでしょう。テニス部も全国レベルです。勉強も部活も頑張れる高校というイメージがあるのかもしれません。

一方、下妻一高については間違いなく進学校の看板が人を集めていると言えるでしょう。

下妻一高は県西ナンバーワン進学校です。進学率は90%以上で、その半数近くが国公立大学に進学します。

受験生の中の上位層はこの下妻一高を一斉に目指すので、自然と高倍率になるものと考えられます。

また下妻勢が人気の理由の一つに、下妻イオンの存在があると個人的には思ったりしています。

放課後に遊ぶ場所というのは、高校生にとっては死活問題ですからね。

下妻イオンは県西最大のショッピングモールなので、友達とお店をのぞいたりフードコートなどでおしゃべりを楽しんだりできる、最高の遊び場です。

これが八千代高校などの場合どうなるのでしょうか・・・。まわりには畑しかありませんし・・・どうやって遊んでいるのか気になります。

私の高校時代も周りに遊ぶ場所がなく、仕方なく河原でおしゃべりしてました(笑)

古河市内の県立高校は古河一高・古河二高が人気。古河三高は意外と穴場!

古河市内に目を移しますと、倍率1倍以上が二校。

古河一高の商業科が1・10倍。古河二高の普通科が1・00倍になっています。

商業系は卒業後の仕事に繋がりやすいということもあり、根強い人気があります。同校の普通科が定員割れしていることを考えても、古河一高の商業人気は高いものがあるという印象を受けました。

古河二高については古河地区の偏差値40台の層を一手に引き受けているのでこの数字になるのかなと思いました。古河二高といえば福祉科が有名ですが、こちらは定員割れしています。

勉強はあまりしたくないけど、実業系じゃなくて普通に高校生やりたい・・・そういうニーズが古河二高にはあるのかもしれません。

私の中で意外なのが、古河三高が定員割れしているということ。0・96倍という数字でした。

古河三高は近隣の高校では下妻一高に次ぐ進学校。進学率は70%以上あり、国公立大学にも30名以上合格しています。

大学に進むのはもちろんのこと、大学の中身にもこだわりたいという人にはオススメの学校だと私的には思っています。

環境的にもけやき平の閑静な住宅街に囲まれていて勉強にはうってつけですし、隣にはコンビニもあって便利。

そんな学校が定員割れなので、ここは穴場だなーと思いました。

偏差値下位層の県立高校は生徒集めでも苦戦

偏差値40台以下の高校は、生徒集めに苦労している高校が多いようです。

三和高校普通科0・83倍、八千代高校総合学科0・97倍、坂東清風高校総合学科0・84倍、総和工業高校0・89倍(全学科合わせて)・・・。

境高校と古河二高が1・00倍になっている他は、みな定員割れです。

古河市では偏差値40台の中学生の人数が多いのですが、高校の数もあるので分散されてしまい数が少なくなる傾向があります。

また最近は年を追うごとに大学への進学熱が高くなっているので、進学できない高校は敬遠される傾向にあります。

定員割れしているので合格するのは容易ですが、入ってみたらクラスメートが少なくて広い教室が閑散としている・・・。そんなこともあるかもしれません。ちょっとさびしいですよね。

生徒が集まらない影響からか、来年度から岩井高校と坂東清風高校が合併するようです。ただ上記の傾向は変わらないので、この層の苦戦は終わらないのではないかと考えています。

あとどこも田舎の高校なので、遊ぶところがないんですよね・・・。

まとめ

いかがだったでしょうか。

高倍率であれば入るのは難しいかもしれませんが、合格すればその難しさに見合った環境が待っていると思います。

低倍率であればその反対。入るのは簡単ですが、進路などで自分から積極的になんとかしなくてはならないでしょう。

そんななかで、古河三高というのは倍率も低くて進学実績も十分なので、穴場だなぁ・・・なんて思いました。

個人的には倍率は入試の難度というよりも、人気の証明だと思っています。

高校選びをする際には高倍率の高校を敬遠するのではなく、むしろ高倍率の高校の人気の秘密をさぐって自分にあった高校を探してみることをおすすめします。