【社会授業】内閣不信任案はほとんど前例がない?

こんにちは!

今日も秋らしい涼やかな空気。

夜になると塾の周りからも虫の鳴き声がりんりんと聞こえてきます。

塾の外では虫たちのコンサートですが、塾の中では自習課題に四苦八苦する生徒たちの「うーん・・・」という声が笑。

この苦しみが明日の栄光を開くと思って、虫たちに負けずに頑張って欲しいものです。

 

さて、また社会の話です。

昨日の社会の授業で、内閣不信任案の話をしました。

国会は内閣の仕事が信頼できない時は、この内閣不信任案を出して内閣を総辞職させる(あるいは衆院を解散させる)ことができます。

 

しかしこの内閣不信任案ですが・・・本当に内閣総辞職or衆院解散までやったことはあまりありません。

いまの仕組みの中では、過去に4回だけ。

 

70年以上の憲政の歴史のなかで4回ですから、とっても少ないです。

今回の衆院解散だって、内閣不信任案など全く関係なく、内閣が解散の指示を出したもの(衆院が解散するときはほとんどこのケース)

 

それもそのはずで、内閣総理大臣は国会で指名されますが、当然与党から選出されます。

 

自分の党から出した総理ですから、気に入らないからといって不信任案を出すことはありません。

どうしてもダメな時には、自分の党からまた違う人を選べばいいだけです。

今の与党は自由民主党ですが、総理大臣が辞めるたびに党内で総裁選(党のトップを決める党内の選挙)をやって新しい総理大臣を決めてきました。

 

過去の4例は党内で造反が起きるなど、内部対立によるものが多いです。ちなみにその例全てて内閣総辞職はせず衆院を解散しました。

 

また政権を担当していない野党から内閣不信任案が出ることもありますが、だいたい国会内で否決されます。

(それはそうですよね・・・野党は国会では少数派なので、多数決では不利なのです)

 

そう考えると内閣は国会に対して責任を負うとは言っても、実際に国会が内閣を総辞職させることはあまりないことのよう。

 

実際には与党内の人事で決まってしまうのですね。

 

教科書の中の仕組みと、現実のあり方とのギャップは確かにあるのですが、そのギャップから「どういう仕組みならより良いのだろうか?」と考えるきっかけが生まれるといいですね。