こんにちは!
今日は総和のマクドナルドから記事を書いています。
ジョイフルにくっついているマクドナルドなんですが、去年の12月に新しくなったんですよね。
改装とかではなく、一旦建物を全部壊してそこから新しいものを建築するという大掛かりなものでした。
前の店舗が壊されたあとは「もうなくなっちゃうのかな?」と寂しい気分でしたが、新しいものができることがわかったときにはホッとした気分になりました。
新しい店内はカウンター席の椅子が赤を基調にしたおしゃれなものになっていたり、コンセントのがついていたりと素敵な空間に変身。
図書館が閉鎖された今、外で作業できる空間は貴重なのでこれからもちょくちょく利用させていただきたいと思います。
さて、今日お話しするのは、古代中国より伝わる受験の格言についてです。
その名も「巧遅拙速に如かず」。
「こうちせっそくにしかず」と読みます。
それはどう言う意味なのか?受験にどう生かせるものなのか?
今日はそんな古くから伝わる受験格言について、お話ししていきたいと思います。
「巧遅拙速に如かず」とは?
「巧遅拙速に如かず」の意味
「巧遅拙速に如かず」とは、
「うまくても遅いものは、下手でも速いものにかなわない」
という意味です。
「如かず」とは「及ばない、かなわない」と言う意味で、国語の漢文にもよく出てくる表現ですよね。
この言葉が生まれたのは、古代中国・・・時代で言うと宋王朝のときで、今から700年ほど前のこと。
日本で言うと鎌倉時代ですね。
「巧遅拙速に如かず」が生まれた背景
中国にはいろいろなことわざがたくさんありますよね。
たとえば「矛盾」だとか、「漁夫の利」だとか・・・中学校の国語の教科書でもこうした言葉は扱われています。
こうした言葉は「故事成語(こじせいご)」と呼ばれているのですが、中には受験にまつわるものがあり、「巧遅拙速に如かず」がそれにあたります。
当時の中国には、「科挙(かきょ)」という役人になるための試験がありました。
今の日本にも公務員になるには試験がありますが、この科挙は大変に難しい試験だったようで、中国の古典に書かれた文章を全て暗記してこないと合格できないようなものでした。
何年かかっても合格できない人もたくさんいたようです。
そんな難関試験であった科挙について、合格に向けての参考書も作られるようになりました。
「巧遅拙速に如かず」はそんな参考書の一つに載っている言葉なのです。
科挙には膨大な量の問題が出題されるので、一つ一つじっくり取り組んでいたら時間内に終わりません。
(ちなみに科挙の試験時間は日の出から日没までを合計三日間だったとか・・・)
なので「ひとつの問題についてじっくり時間をかけるのではなく、問題全体を見て解ける問題から速くとりかかろう」というアドバイスが生まれました。
それが「巧遅拙速に如かず」だったのです。
そんな昔から受験用の格言が生まれるなんて、すごいことですよね。
科挙は身分にかかわらず試験の結果のみで役人になれる唯一のチャンスでした。
なので全国から多くの受験生が詰めかけ、熾烈な争いになったようです。
受験における「巧遅」の罪
この「巧遅拙速に如かず」・・・現代の受験にも同じことが言えます。
一問にこだわりすぎてその後にある他の問題を解けなくなってしまう生徒って物凄く多いのです。
そのことを如実に物語っているデータをご紹介しましょう。
茨城県立高校入試の英語と数学の正答率です。
たとえば英語。
問題の最後は英作文になっているのですが、この正答率が例年とても低いのです。
毎年10%以下しか解けていなくて、去年はなんと0・8%でした・・・。
では英作文がとても難しい問題かと言うと、まったくそんなことはありません。
簡単な英文を3文くらい書けば十分です。
その前の長文問題の方がよほど難しい。
数学もそうです。
毎年試験の最後は立体図形の問題なのですが、この(1)の問題がやはり正答率が低いのです。
(1)の問題は基礎レベルなので、普段通りの力を出せれば大体に生徒が解けるものばかり。
関数や方程式の(1)が取れる力があれば立体図形の(1)の取れるでしょう。
なのに解けていないのは、他の問題の(2)(去年なら(3)など)にじっくり取り組みすぎて時間を奪われたことが原因だと思います。
英語にしろ数学にしろ、難しい問題に取り組みすぎたあまりその後の簡単な問題を落としてしまっているのです。
難しい問題だから点がたくさんもらえるわけではありません。
1点くらいしか違わない場合がほとんどです。
4点くらいの難しい問題に時間をかけて、3点もらえる簡単な問題を2つも3つも落とす・・・明らかに効率が悪いですよね?
試験時間は50分。余裕はありません。
限られた時間の中で高得点を出すには、難しい問題に時間をかけるのではなく簡単な問題から取り組むべきなのです!
難問として知られる数学の大問4以降の(3)を全て無視しても、他の基礎問題を全て取れれば70点以上は取れます。
古河の受験生であれば大体の高校は合格できる点数でしょう(下妻一高ならもう少し欲しいかもですが)
また英語の英作文の配点は12点にも登ります。
時間が足りなくなって12点も落とすようになれば、入試では致命傷です。
これを読んでいる受験生は、必ず英作文を先にやりましょう。
速ければいいわけではない?
「よし、じっくり考えるのはやめてとにかく速く解こう!」
そう思っている受験生もいるかもしれませんが、速ければいいものではありません。
急いで解いて間違えたのでは意味がありませんからね。
大事なのは、先に時間配分を考えること。
過去問を解く中で、「ここはすぐ解ける、ここはまとまった時間を確保して解く、ここは少し考えて無理そうなら飛ばす」という当たりをつける。
そして入試本番ではスタートともに問題を終わりまで見通して、過去問通りの時間配分でいいか、過去問と違うならどう修正すべきかを考える。1〜2分くらいかけてもいいでしょう。
そして割り振った時間の中で、頭を働かせて問題に当たるのです。
まとめ
この「巧遅拙速に如かず」は時として「下手でも速い方がいい」という解釈をされることがあるのですが、違います。
その極意は、
「事前に計画を立てて望むべし」
受験生の皆さんも闇雲に問題に向かうのではなく、ある程度の方針を固めてから解き始めましょう。