大学入試共通テストのここが変わった!茨城県立入試に影響あり!?

こんにちは!

大学入試の共通テストが先週終わりました。受験生の皆様は大変お疲れ様でした!

コロナ禍での受験ということで各試験会場では感染症対策がとられ、いつもとは違う雰囲気での試験となりました。

マスクをちゃんとつけていないことで何回も注意され、従わなかったことで不正行為として失格になった受験生もいたとか・・・(その後トイレに立て篭もり、警察に逮捕・・・何やってんだ・・・49歳の受験生よ)

雪が激しすぎて試験が中止になった会場もあったとか。今年の豪雪はほんとにすごいですね・・・。

さて注目の試験内容はと言いますと、今年からセンター試験に代わって共通テストがスタートし、新形式での入試となりましたね。

中でもものすごく内容が変わったのが、英語。

前回まであった言葉の穴埋めや並べ替えの問題が全て無くなり、全ての問題が文章や資料の読み取り問題に代わりました。

具体的にはどのように変わったのでしょうか?

そんなところも見つつ、私たち最大の関心事である茨城県立入試への影響なんかも見ていきたいと思います!

共通テストの英語、ここが変わった!

穴埋め問題、全てなくなる。

穴埋め問題とは、たとえばこんな感じの問題です。

穴埋め問題例1
次の空欄に入る言葉を選択肢の中から選びなさい。
Do you _______ sushi?
①play ②swim ③like ④go

 

皆さんもよく見たことのある形式ではないでしょうか。

去年までのセンター試験では、この形式の問題が多かったのです。最初の方に10数問ほど出てきます。

この形式の問題は、知識があれば数秒で解けるものでした。

ちゃんと勉強している受験生なら、ここはスイスイとできていたことでしょう。

ここを早くやっつけて、終盤の長文問題に時間を多く割くことがセンター英語の王道でした。

しかし、今年はもうその問題はありません。秒で解ける問題がなくなったのです。

なくなった問題はこれだけではありません。

短文読解問題、全てなくなる。

短文読解問題とは、以下のようなものです(問題をそのまま掲載できないので、東進衛星予備校様のリンクを貼ります)

2020センター試験英語・短文読解

二分の一ページくらいの文章を読んで答える問題ですね。

長文ほどの量はないので、こちらも解くのにさほど時間は要しません。

文章問題とはいえ答えを探し出す範囲が狭いので、多少わからないところがあっても要点をつかみやすいところでした。

しかし、この問題も今年はありません。

センター試験で時間を稼ぎ出せるはずだった序盤の穴埋め問題、中盤の短文読解問題が、今年からもうないのです。

では代わりにどういう問題が出てきたのか。

一緒に見ていきましょう。

怒涛の長文・資料ラッシュ!

これはもう実際の問題を見ていただくのが一番かと思います。(再び東進衛星予備校様のページのリンクを引用します)

2021共通テスト・英語

最初の問題は、LINEのようなチャットアプリでのやりとりから。

親しみのある導入となりましたが、これも読み取り問題の一種なのでしっかり読まないと解けません。

そしてそのあとは、怒涛の長文ラッシュです。

ファンクラブ加入の案内、音楽コンテストでの審査結果、ネットの情報を利用した旅行プラン、留学生をどこに連れて行くかという打ち合わせ・・・。

どの問題にも資料がつけられているのもポイントです。

長文と資料を照らし合わせて、どの選択肢が最適かを問う問題が多く出されました。

どれも「きちんと文章や資料を読めているか」を問う問題ばかりです。

穴埋め問題などのようにすぐに解ける問題はほとんどありませんでした。

私も実際に解いてみましたが・・・穴埋め問題のように機械的に答えられるものが無いので、かなり疲れました。

時間のかかる問題が多かったので、制限時間内に終わらない受験生も多かったのではないでしょうか。

ちなみに、今年最大の改変ポイントとしてリスニング問題が増えたこともあります。なんとリスニングで1時間も!受験生の心労や、察するに余りあります・・・。

共通テストの平均点は・・・

平均点はあがった

こんなに大変な問題ばかりじゃ、きっと平均点はすごく下がったんだろうなぁ・・・と思いきや。

先日発表された中間発表によれば、なんと100点満点中60点!

これは去年の平均点を上回る数字です。

私にはとても意外な結果となりました。

その原因についてはいろいろ考えられますが、こうした意見も見られました。

生徒の3分の1が国公立大志望という首都圏の公立高校の進路指導主任は「できる生徒は例年通り8割以上とっているが、読解力がない中下位層には、これまで以上に厳しい内容だった」と分析する。

ー朝日新聞デジタル2021年1月20日「共通テスト平均点、下がるとの見方が…コロナで奮起?」より引用 https://www.asahi.com/articles/ASP1N6HWBP1NUTIL00P.html

上位層の生徒については堅実に点を伸ばし、中位層以下は引き離される・・・。そうした側面もあるのではという意見には私も同感です。

文章量は確かに増えました。すぐに解ける問題もありません。しかし個別の問題については、難しいものはありませんでした。

広く浅い知識より、狭くとも深い読解力・・・そういった力のある受験生は点を稼げたでしょうし、生半可な力しかない子はこの問題の前ではなすすべもなかったと思います。

問題の傾向が読解重視に変わり、平均点があがる・・・

実はこうした傾向が茨城県立入試にも見られることをご存知でしょうか?

両者を比べると驚くほど似ていることがわかります。

さっそく見ていきましょう。

茨城県立入試との共通点

読解重視へと舵を切った、茨城県立入試

昨年の茨城県立入試も、傾向を大幅に変更しました。

(過去の記事で詳しく書きましたので、よければ是非読んでみてください!)

特に変化が激しかったのが、数学。

それまでは最初の問題は単純な計算問題だけでしたが、そうした問題はすべてなくなりました。

代わりに出題されたのが、文章問題です。

最初の問題は、今日の最高気温・最低気温と前日比の数字をもとに、前日の最高気温を答えさせる問題。

単純な計算ではない上に、目の前の数字を足し引きしただけでは正当とならない問題でした。

傾向が変化したことを象徴する問題で、このような傾向の入試となったのは全国で茨城県だけでした。

こうした激しい出題傾向の変化を見て、私たち塾関係者は「今年の平均点は下がるだろう」と予期していましたが・・・。

上がった平均点

大方の予想を覆し、数学の平均点は上がりました。

前回は49点でしたが、今回は3点アップの52点。

最初は首を傾げましたが、考えてみるとその理由に行きつきました。

確かに計算問題がなくなり文章問題が増えましたが、問題の難易度自体は上がっていません。

中盤以降の問題ではいえば、前回まで(1)【簡単】(2)【難しい】の編成だったのですが、今回は(1)【簡単】(2)【普通】(3)【難しい】に変わったことで中位層以上の子なら3分の2は取れたと思います。

しかし下位層の子は最初の簡単な計算問題で稼げなくなり、さきほどの問題構成では3分の1をとるのがやっとの状態に。

できる子はより点を伸ばし、できない子は突き放されることになったことが、この平均点のアップにつながったのだと思います。

これから茨城県立入試で予想されること

読解入試の流れが加速する?

この現象・・・さきほどの共通テストの英語と同じですよね?

共通テストでは上位層の受験生は読解中心の問題でも安定して成績を伸ばし、それより下の受験生は伸び悩みました。

これからは県立入試ではこの流れが加速するのではないかと私は予想しています。

数学は去年傾向が変わったので、さらに大きな変化はすぐには起きないのではないかと思います。しかし英語については注意が必要かもしれません。

共通テストの英語は読解重視になりましたが、平均点は影響をほぼ受けませんでした。

共通テストの英語の出題は成功したと言っていいでしょう。

それを受けて、茨城県立入試の英語も同じ方向に走る可能性があります。

そもそも去年の数学の傾向が変わったのは、こうした読解重視の流れを先回りして実施されたものでした。

その読解重視改革の本丸となる共通テストの英語が成功したとなれば、茨城県立入試もこれにならうことは十分考えられます。

これまでの試験はセンター試験のような穴埋め中心の出題ですが、共通テストに準じて長文をずらりと並べてくることも考えておいた方がいいかもしれません。

まとめ

傾向が変わっても、求められるものは変わらない!

いかがだったでしょうか?

傾向が変わって行くことに、不安を覚える方もいるでしょう。

しかし、英語において根本的に求められる能力は変わらないと私は考えられています。

読解力とは言いますが、それには大切な前提があります。

それは確かな文法力と確かな単語力。

文章を読もうにも、何が書いてあるかわからないのでは読解以前の問題になります。

まず先に、ぶれない基礎力をつけること。

読解といっても、書かれていること自体は簡単です。国語で言えば小学生レベル。

だからいたずらに不安にならずに、目の前にあることに一生懸命になって欲しいです。

しかしこれまで以上にあいまいな知識は拒絶され、確固たる理解が要求されます。

茨城県立入試本番まで1ヶ月と少し。がんばりましょう。