こんにちは!
昨日は茨城県立高校入試がありました。受験生の皆さん、また保護者の皆さんもお疲れ様でございました。
昨日の夕方ごろに、どれどれと問題と解答の速報を見ました。
最初の感想は・・・
なんだこりゃッ!
もうびっくりしましたね。これから詳しく述べますが、数学に至っては強烈な先制パンチ、英語も終盤にどんでん返し、理科と社会は資料問題が増加。
今年の受験生はかなり動揺したのではないでしょうか。過去問をやり込んだ生徒さんほど衝撃は大きかったと思います。
それでは1教科ずつ見ていきましょう。
茨城県立入試・教科別内容
茨城県立高校入試その1・数学
今回激震が走った県立入試の震源地が、この数学。
なんといっても最初の計算問題が全て消滅してしまい、文章題に置き換えられたのが衝撃でした。
今まで数学の最初の大問といえば簡単な計算問題でした。
それこそ−9+4=・・・みたいな。
こうした問題が5問。配点は4点ずつだったので計20点。一行きりの計算だけで20点ももらえるということで、数学が苦手な子でもここだけは落とせないという重要分野だったんですね。
ところが・・・そんなボーナスステージも去年で終わり。今年はみな文章問題へと変わってしまったのでした・・・。
どういう問題になってしまったかというと、ニュースの天気予報などで見られるようなその日の最高気温・最低気温とそれぞれの前日比をみせて、前日の最低気温は何度かを問う問題。
すべての生徒が面食らったかと思いますが、しかし落ち着いて解けばきっとわかる問題です。成績上位層は驚きながらもこなすことができたと思います。
問題は成績下位層と中位層の子達。下位の子達はもしかしたらほぼ全滅だったかもしれません・・・。中位の子達は、できる子できない子にはっきり別れたかと思います。
せっかくのボーナスステージがなくなったことで意気消沈し、その後のより難しい問題も立ち向かうことができなかった生徒さん達も多かったことでしょう。
さらに特筆すべきなのが、理由を説明させる論述問題が出題されたこと。資料の整理分野で、どうしてこの意見が間違っているのか指定の語句を使って説明させる問題が出ました。これはおそらく数学では初めての出題形式で、この分野で使う語句の意味を正確に理解していないと解けない問題でした。中位以下の子達にこれはなかなか無理でしょうね・・・。
平均点については間違いなく去年より下がります。去年の問題も難しくて平均点が50点を割りましたが、今年はそれがどこまで低下するか・・・40点に迫る勢いになるかもしれませんね。
※追記:その後の平均点の発表で、前年よりも平均点が上がっていたことがわかりました!(・□・;)こうした問題形式の変更を物ともせずに、上位層の子達が荒稼ぎしたのかもしれませんね・・・。
茨城県立高校入試その2・英語
数学ほどのインパクトはないものの、英語もかなり傾向が変わりました。
私的に「これは大きいな・・・」と思ったのが、英語長文の最後の問題が自分の意見を英文で書くものとなっており、事実上の英作文になっているということ。
英語の問題は例年最後の問題が英作文になっています。つまり今年はさきほどの英作文と合わせると、英作文が2題出されているようなことになりました。
具体的に見ますと、今年の長文はウォルト・ディズニーの生涯をつづったもの。その内容を問う問題で、最後に二つ英語で聞かれます。
「ウォルト・ディズニーについてどう思いますか?」
「あなたにはどんな夢がありますか?夢に向かってどんなことをしていますか?」
というもの。
いずれも15語程度という語数指定がありますので、合計30語くらいの英文です。
このあとの英作文の問題もやはり30語という指定があることを考えますと、英作文と同じ分量の英文を長文問題の中で課していることになります。
いままで長文の配点は3〜4点だったのですが、この問題は配点が5点。二問で10点です。出題者がこの問題の出来を重視していることがよくわかります。
英作文の準備が足りなかった生徒にはかなり厳しい問題となったでしょう。最後の英作文と合わせて配点がなんと22点。自分の力でゼロから英文を書く力がなければ全体の4分の1近くの点を失うことになります。
英作文は単語力や文法力、構成力や題意を正確に読み取る国語力など、英語の中でも総合的な力が求められます。来年以上の受験生は否応無しに「書く力」を身につけなくてはならないでしょう。
茨城県立高校入試その3・社会
数学英語ほどではないものの、社会にも出題の変化が見られました。
一番顕著だったのは、資料を見て答えさせる問題が増えたということ。
一問一答で答えられる知識だけではなく、資料から読み取れる特徴を見つけ出して答えを導けるかが問われる問題が目立ちました。
まだ問題構成にも変化がありました。
去年までは「大問ー小問」という構成だったのに対し、今年は「大問ー中問ー小問」というスタイルに。
中問を設けることで、問題の区切りを短くし多彩な問題を出せるような狙いがあるものと考えられます。
また問題の順序も例年と変わりました。
今までは「総合→公民→地理→歴史」だったのが、今年は「地理→歴史→公民→総合」になっていました。
はっきりとした目的はわかりませんが、学年順に並べ替えたということでしょうか(地理歴史は中学一二年、公民は三年で学習します)。
数学同様に、社会も文章や資料を読み取る力が求められてきているように感じました。
茨城県立高校入試その4・理科
社会同様、理科も文章を読み取らせるような問題が目立ちました。
特に電気の問題ではそれが顕著に現れています。
参照する箇所が3つに別れており、一つ目の箇所は実験の手順についての説明ですが四角のスペースいっぱいに文章と図がぎゅっと詰め込まれています。理科が苦手な子はこれだけで拒絶反応をおこしそうな図です・・・。
その後の二つの箇所は実験の経過と感想についてで、3つを合わせて1ページ半にも登ります。
そのあとにようやく問題文がはじまり、長きにわたる参照パートから答えを拾うのは成績上位者でも簡単ではなかったと思います。
また最後の地震の問題は、2題続けて論述問題が出ました。問題用紙が配られた時にはじめに問題を最後まで見ておかないと、時間が足りない状況で最後に論述2題は相当慌てると思います。
論述問題は今年は5題。去年より1題増えました。現象の結果や原因について日頃から自分で説明できるようにならないと、これからの入試で対応するのは難しくなるのかなと思いました。
茨城県立高校入試その5・国語
国語のついては例年と多くは変わりませんでした。
あえて変わったところを上げるのならば、最後の作文のところがその前の設問である古典と同じ大問になり、古典からのつながりで答えさせるというもの。
ただ古典の文章もそんなに難しくもなく、また古典の後にその感想を述べる文章が続いていたので、作文を書くにあたって大きな障害にはならなかったかなと思いました。
また評論文の問題で、書き抜く箇所の文字数が54字というものがありました。受験生は文字を数えるのが大変だったでしょうね・・・。
茨城県立入試攻略法
茨城県立高校入試攻略法その1・読み取る力
今年の問題は数学に代表されるように、問題を読み解く力が求められるものが多かったように思います。
読み解く力がある生徒なら、数学の計算問題の代わりに出された文章問題でも落ち着いてクリアできたでしょう。
理科や社会でも資料を読み解いて解かせる問題が目立ちました。
これからの勉強は暗記するだけではなく、目の前にある文章や資料を正確に読み解ける力が必要になってくるのかなと感じました。
茨城県立高校入試攻略法その2・書く力
英語ではかなりの量の英文を書かせる問題が出ました。
理科で出題された論述問題も去年より増加。
目の前にある問題と自分の中に吸収した知識を照らし合わせ、答案用紙に書き出す力が必須になります。
こうした問題は学校の定期テストで出題するのが難しいかもしれません。たくさん出してしまうと時間切れなどで平均点が下がりそうですし採点も大変ですからね。
とはいえ英作文は独学ではなかなか難しいので、自分で勉強しながら先生に添削しもらうか、塾で特訓するかのいずれかになると思います。
まとめ
茨城県立高校入試には、より本質をついた勉強が必要になる?
数学の資料整理の論述問題を見て思ったのですが、「用語の意味をちゃんと理解していて、表もきちんと読まないと読み解けないよなぁ」と感じました。
従来の一問一答で解ける問題は減っていき、こうした本質を理解できているか問うような問題が主流になってくるのかもしれません。
問題は学校の授業がそうした方向へ転換できるのか・・・。
これからの教育現場の対応にも注目する必要がありそうですね。